【漫画で解説】西堀榮三郎の南極・山岳・品質管理

【漫画で解説】西堀榮三郎の南極・山岳・品質管理 探検的精神で「未知」を切り拓く

東近江市西堀榮三郎記念探検の殿堂 編
A5判 224ページ 並製
ISBN978-4-88325-816-1 C0023
奥付の初版発行年月:2024年03月
書店発売日:2024年04月30日
在庫あり
1800円+税

内容紹介

初代南極観測越冬隊長を務めた西堀榮三郎の幅広い功績のうち、南極・山岳・品質管理の分野から、エピソード漫画を中心に紹介する。

目次

はじめに
プロローグ

1 南極──少年時代の夢が叶う

南極への夢を持つ/初代南極観測隊越冬隊長/白瀬矗/インタビュー なぜ隊長に選ばれたのか 藤井理行/失敗してもやりなおせばいい/リーダーとしての器量/報告 第一次隊の観測装置を復元してみた─ナメコ缶でブリを掴んだ男 伊達元成/写真で見る第一次南極観測/南極基地の今昔

2 山岳──フォロワーとしての能力を高める

フォロワー西堀榮三郎/リーダー今西錦司/愛用のピッケル/めざせ北山! 山城三◯山 青葉のころ/登山の歴史と山の道具 三種の神器/西堀榮三郎の交渉術/西堀榮三郎 ネパール編/インタビュー 父・西堀榮三郎と伯父・今西錦司 西堀岳夫

3 品質管理──社会や人の役に立つ

役に立つ人間になれ/品質は作る人間の込めた魂/榮三郎チョンチョン翁 80歳からの挑戦/インタビュー 器用で穏やかな性格の父 稲葉暁子/木造ヨット「ヤルン・カン」/持つべきものは友/科学と技術/技術と人の心(丹後の娘たち)/技術と人の心/アイデアとその実現/基地とドラム缶をパイプでつなぐ/西堀家の家具類/インタビュー 西堀榮三郎の統計的品質管理 椿広計/講演「良くて安い」MADE IN JAPANの父・西堀榮三郎 唐津一/どうする西堀 あなたならどうする?/北陸ミサワホーム×西堀「愛」

4 外伝

大親分!今西錦司/悩める若人 大学進学について大激論! /今西錦司流・人材育成術 とにかく現地に放り込め!! /山岳スキー術派論/伊吹山住みの日記/スキー× 伊吹山× 中山再次郎× 西堀榮三郎/西堀かるた

おわりに
西堀榮三郎年譜
参考・引用文献
お世話になった方々・施設/スタッフ

前書きなど

八ヶ岳のような人だから
 
「ユーモアに溢れる自然児・西堀榮三郎は〝八ヶ岳のような人〟だから、誰か一人の人間が彼の人生を総括することはとても難しい」と言った人がいました。
 八ヶ岳は南北に広く、個性的な山々が連なっている――原生林と湖が広がる北八ヶ岳、岩峰が続く南八ヶ岳。全く違った表情を見せるのが八ヶ岳の魅力ですが、西堀も、原子力、品質管理をはじめとする科学技術はもちろん、登山、探検、南極と数々の異なる峰を築いた生涯だったため、まとめきれないというわけです。

「未知」を切り拓く

 西堀榮三郎(以下「西堀」という)は、どんな時にもボジティブに考え行動しました。特にそれが誰もやったことのない「未知」の分野であればあるほど意欲的に取り組み、他人から無理だと言われても諦めず切り拓いていきました。「未知」とは、一般的には「まだ知られていないこと」という意味ですが、西堀は、自分にとって「初めてのこと」「これまでに経験したことのないこと」と定義しました。つまり、「未知」は、どんな時代でも、国籍や年齢や性別に関係なく誰にでもあるものと考えたのです。
 また、切り拓くとは、「困難や障害を乗り越えて進路を開く」という意味ですが、西堀はさらに「人として成長する」ことを含めています。そして、「未知」を切り拓くことができた結果、「人に喜ばれる」「社会全体に良い影響を与える」ことを願っていました。
 西堀が86年の人生において切り拓いた「未知」はたくさんありますが、今回は、南極・山岳・品質管理の分野を選び、エピソード漫画を中心に紹介します。共通するキーワードは「探検的精神」と「技術」と「愛」。
 初めてのことに挑戦するには、「やるぞ!」という決心や勇気から始まり、「探り、検(しら)べる」という探検的精神で解決策を見つけ出していく必要があります。また、切り拓いていくためには技術を利用することが重要ですが、技術は悪用することもできます。西堀は、人を不幸にしてしまうような、世に負の遺産をのこしてしまうような技術の使われ方を望まず、倫理も含めて「愛」が存在していなければならないと考えました。

   

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