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2012年 4月 06日

伊吹の花畑に還った円澄さん

 
 
 
 
冒頭に掲げたのは、淡海文庫『伊吹百草』の口絵です。
 
その著者である福永円澄さんがお亡くなりになったとの
悲しい知らせが、今日の朝一番に届きました。
 
福永さんは小学校教諭や文化財専門委員などを経て、
旧伊吹町の町史編さん室長として、地元の歴史や
民俗文化、自然などの調査を進めてこられました。
 
とくに滋賀県の最高峰・伊吹山については、
「歩いていない尾根や谷はない」ほどの“通”だったとか。
 
前掲書は自らの豊富な体験をまじえて綴られたエッセイですが、
「早春曼陀羅」として植物に関する詩も添えられています。
そのなかから一つ、「椿」を以下に引用いたします。
 
 
   椿
 
    つらつら椿が
    咲きました
    雪解の山の
    日だまりに
 
    つらつら椿は
    春の花
    もえるこころの
    赤い花
 
    つらつら椿は
    愛の花
    さびしい別れの
    山の花
 
    つらつら椿
    つらつばき
    ちぎりを惜しむ
    つら椿
  
  
 
春の訪れとともに伊吹の花畑に還られた福永さん。
お通夜と告別式は、自らご住職をつとめておられた
伊吹山のふもと光了寺で行われるそうです。
 
社員一同、謹んで哀悼の意を表します。
 
                       (編集部Y)

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