2007年 12月 10日

玩具コレクター高橋狗佛の少年時代

彦根城築城400年祭期間中に開催された「高橋狗佛の玩具コレクション」がイベントの終焉後も彦根夢京橋あかり館で常設されるらしいという嬉しいニュースを聞いた。
この高橋狗佛の本名は高橋敬吉といい、井伊家17代当主で28年間彦根市長を勤められた井伊直愛と弟正弘さんの家庭教師であった。
彦根藩士族の家に生まれ、教育現場でご活躍の後、懇願されて井伊家に入られた。この高橋敬吉氏が最晩年、ご自身の少年時代の日常生活を記したものがこのたび『彦根藩士族の歳時記 高橋敬吉』として発行した。
築城400年祭のイベントの一つとしてまちなか博物館で高橋氏のコレクションの運営に係った藤野滋さんのご尽力で生まれた書籍である。
発刊後、改めて読んでみると高橋さんの礼儀正しい中に、奔放かつ豪胆な性格が当時の風俗を背景にとても清冽に描写されている。藤野さん自身「文才があればなんとか小説にしたいものだが」と言われていたが、まさにそのとおり、時代小説と異なり、あまり多く世に出ていない明治の末から大正時代の地方都市のなにげない日常生活の中から今私たちが学ぶものが少なくはないと思うのだが。

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