2011年 5月 23日

『昭和17年、戦時学生の日誌』がジャグラ作品展で経済産業大臣賞

 
 日本グラフィックサービス工業会の平成22年度ジャグラ作品展「出版印刷物部門」において、筈見時男著『昭和17年、戦時学生の日誌』が最高賞にあたる「経済産業大臣賞」に選ばれました。
 本書は滋賀県の名門八幡商業学校の生徒だった著者による戦時中の肉筆日誌を再現したもので、毛筆による文章と馴れたペンタッチの彩色イラストは、そのまま復刻するだけで貴重な記録となるものでした。しかし著者の思いは「若い世代にも読んでもらいたい」。文章の旧字・旧かなを改め、しかも活字化するのではなく、文字部分のみ自ら書き直していただくことになりました。そこで全ページをスキャンし、イラストはそのまま残して文字部分のみ消した用紙を作成。著者にお渡しして2ヶ月後、書き直していただいた新字・新かなの直筆原稿を再度スキャン。イラスト部分と合わせ、原稿用紙の罫線や汚れまでも忠実に再現しつつ、広く読まれる本として生まれ変わったのです。
 なにより著者の熱意と、それに応えるための技術が本づくりの原動力となりました。著者の筈見時男氏に改めてお礼申し上げるとともに、受賞の喜びを分かち合いたく存じます。
 
※日本印刷新聞の記事
http://www.nichiin.co.jp/news/kiji/1304903400_32311_1.html

コメントはまだありません

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。

最近の10件

ページの上部へ