特集 地域を学ぶミュージアム・ツアー

片岡駿一さん写真  
片岡駿一さん
滋賀県立大学
人間文化学部4回生
小池真那加さん写真 小池真那加さん
滋賀県立大学
人間文化学部4回生
渡邊文乃さん写真  
渡邊文乃さん
滋賀県立大学
人間文化学部2回生
上田睦実さん写真  
上田睦実さん
滋賀県立大学
人間文化学部2回生

滋賀ミュージアム・ポケット・ナビ
滋賀ミュージアム・ポケットナビ
A6判、24ページに滋賀県の博物館・美術館70施設を紹介。

学生スタッフ4名は「地域博物館プロジェクト」メンバー

――学生スタッフとして企画から関わった4人は、滋賀県立大学の「地域博物館プロジェクト」のメンバーでもあるそうなので、そちらをまず説明してもらえますか。

片岡 地域博物館プロジェクトの活動の中心は、古民家とそこに所蔵されている民具や古文書類の調査です。私は3回生の時から、高島市にある大村家(白谷荘歴史民俗博物館)に残された民具や古い教科書の整理、ハガキなどの文書類の内容を読み取って、当時の人がどんな生活を送っていたのかを記録していました。

小池 私は2回生の時に、博物館プロジェクトを知り、古い教科書の調査など、3年間活動してきました。

渡邊 私が3代目の代表を務めています。昨年度は、近江八幡市で代々ヨシの卸業を営んでおられる西川家のヨシ博物館(閉館)だった蔵の中に保管されていた民具や資料を調査しました。現在、これらは滋賀県立琵琶湖博物館に預けられています。そのほか、守山市の下之郷史跡公園では、保管されている民具の調査を地元の方々といっしょに行いました。

上田 それから、いまは廃校になっている米原市の甲津原分校という学校でも、地域の民具などが保管されているので調査を進めています。

――平均的な学生よりは、普段から博物館との関わりのあるメンバーなわけですね。

「滋賀ミュージアム・ポケット・ナビ」の配布

――ツアーの話に移る前に、あわせて滋賀県博物館協議会が県内大学生に配布したミニ冊子「滋賀ミュージアム・ポケット・ナビ」について、協議会事務局の山川さん、亀田さん、説明をお願いできますか。

山川 今年度から当協議会では、「県内にある大学の学生さんに博物館・美術館へ来館してもらい、地域の文化や自然を学んでもらう」ための取り組みをしています。昨年秋には県内の博物館・美術館を紹介する「滋賀ミュージアム・ポケット・ナビ」を作成し、県内の大学に配布しました。

 「ポケット・ナビ」と連動して、10月4日〜11月30日には「いちおし展示」も参加館で行いました。その期間中に付属のアンケート用紙に回答して提出すると引き換えに特製クリアーファイルをプレゼント、また参加館によっては入場料割引などの特典がありました。

 回収できたアンケート結果では、草津宿街道交流館に龍谷大学の学生が10名以上のグループ単位で来て、浮世絵体験や着物体験をしたり、滋賀大学と滋賀医科大学の学生さんが長浜市の成田美術館に、滋賀県立近代美術館との組み合わせで来館したりしていました。

亀田 アンケートではその館までの「交通手段」も尋ねたのですが、自動車やバイクがゼロではなかったものの、主体はやはり電車なので、駅から徒歩で行ける博物館・美術館に限られてしまった感じはあります。

 各大学での配布も初めての試みだったので、うまくいっていたのか不安ではありました。県立大学ではどうでしたか?

片岡 県立大生向けのポータルサイトの掲示板に、「食堂に置いてあるので、ほしい人は取りにきてください。」とあるのを読んで、行ってみると置いていなくて……。

渡邊 なくなっちゃったんだと思います。図書館に置かれていたのは、なくなって、あとで補充されていました。

山川 ごめんなさい。なかなか一人ひとりの学生さんの手に渡っていなかったようで。配布は、年度初めの4月、全員に必ず渡すというような感じの方がよいのでしょうか。

渡邊 博物館を訪ねるとしたら、4月だと、新入生は学校の授業や新生活に慣れることが優先でそれどころじゃないでしょうし、2〜3回生もゼミが始まったり、授業の単位がどうとか忙しいと思います。お花見すら行けなかったりする状況なので。気持ちの余裕があるのは、3月かな。

片岡 だけど、3月に向けて配るのが難しいですよね。

渡邊 学校にすら来ないし(笑)。

片岡 ぼくたちのように学芸員志望や博物館・美術館の仕事に興味がある学生に限られますけど、授業でとりたいと思っている子なら、4月にもらえれば、まずナビを使って回ると思います。

――夏休み前に配って、自転車であちこち回ってもらうのは無理ですか。

渡邊 夏なら、「博物館に涼みにいこう」みたいな感じならいいかもしれないですね。でも、学校に学生がいないんだよね。

上田 帰省してて、滋賀にいない可能性もあるよね。

亀田 配布時期は検討課題ですね。

第1回 日本と世界を知る湖南・甲賀の旅

――「ポケット・ナビ」に続いて、バスで地域を学ぶ博物館ツアーが実施されました。これは訪問館とスケジュールの企画案をつくる段階から皆さんが関わり、2つのコースが決まったんですね。

渡邊 初回の「日本と世界を知る湖南・甲賀の旅」は、主に2回生組で考えたものです。MIHO MUSEUMは、もう2回生の中ではダントツ人気で、みんな行きたがっていた館です。

上田 MIHOは交通アクセスの問題で、学生にとってはなかなか「行く」という行動にまでは移せない場所なので。滋賀の他の博物館や美術館にも言えることだと思うんですけど。

渡邊 甲賀市信楽のMIHOを起点に、他の訪問先を考えていきました。甲賀流忍術屋敷は、留学生の方の参加を意識してです。海外の人に、楽しみながら学んでもらえる所を考えると、ここだろうと。そして、紅葉の中で、国宝の本堂や多くの仏像を間近に見ることができる善水寺ということで落ち着きました。

片岡 2回目の「水辺の歴史と暮らしを感じる湖東・湖南の旅」コースは、4回生が中心に考えました。戦国時代の城跡がある安土と、江戸時代の街並みが残る近江八幡をセットでということで。どちらも駅からは少し距離があるというのも、選んだ理由の一つです。

――そこに野洲市歴史民俗博物館が加わったのは、なぜですか?

山川 すみません。それは協議会が口をはさみました。訪問館でワークショップをして、何か手土産を持ち帰ってもらえるプログラムをコースの中に入れたいと考え、近江八幡から近い銅鐸博物館の「勾玉づくり」を盛り込みました。

――それでは、訪問したそれぞれの館について、感想をお願いします。まず、MIHO MUSEUM。

渡邊 ちょうど紅葉のシーズンで、お天気もよくて、トンネルを抜けて、彼方に見える建物自体の迫力もあって、印象に残っています。順番に説明を受けたのですが、時間的な制約があったので、自由行動がなくて、興味のある展示に行って、じっくり見る時間がなかったのが残念ですね。絶対もう一度行きたいです。

上田 外観や内部の展示の工夫などをわかりやすく説明していただいて、全体像はわかったので、次に個人で行った時にはもっと楽しめると思います。

――MIHOは敷地の広さもあって、海外の美術館に来たような高揚感がありますね。

山川 MIHOでは特別にバックヤードにも入れていただきました。めったに美術館の裏側に入ることはできません。

MIHO MUSEUMバックヤード

MIHO MUSEUMのバックヤード

渡邊 私はバックヤードにも興味があるので、来館した際にできれば入れていただきたい。

山川 自然系の博物館でも、標本などがある部屋は管理が非常に厳しく、一般に入室するのは難しいですね。ただ、琵琶湖博物館の水族のバックヤードなどは年に何回か見学ツアーを実施しています。

――次の甲賀流忍術屋敷はいかがでしたか。

上田 ごく普通の家並みの中の細い道を入ったところに建っていたのが、とても印象に残っています。

渡邊 一人で行ったら、迷っちゃいそう(笑)。

上田 何百年も続いて来た集落の中の一軒の民家が博物館になっているので、「本当に忍者がいたんだ」と思うと感慨深かったです。

甲賀流忍術屋敷の展示/床下の抜け穴

上:甲賀流忍術屋敷の展示/下:床下の抜け穴

――立地自体に歴史を感じたわけですね。

上田 忍術屋敷は、外観も中も大きめの木造民家なのに、ちゃんとからくりとかあっておもしろかったです。

片岡 からくりの中で一番印象に残っているのは、小さな紙切れ1枚で戸を開けるしくみの出口。ガイドさんの説明に、みんな聞き入っちゃいました。

 それと、手裏剣投げが体験できました。あれは結構コツが必要で、まったく的に当たりませんでした。

小池 ここは館内の撮影が自由なのがよかったです。撮り放題。展示ケースの中の武器をたくさん写真に撮りました。

渡邊 留学生さんたちも、もっと中を回りたそうな感じでしたね。

――次は善水寺ですね。

善水元水

善水寺の名前の由来となった、境内に湧く「善水元水」

上田 紅葉もちょうどいい感じの時期で、絵になる場所でした。奥まった少し離れると気づかないような場所に、こんな立派なお堂と仏像があるのかとびっくりしました。

小池 境内の池もきれいでした。

渡邊 留学生の方がいっぱい写真を撮っていましたね。あそこのお水も飲んで。

山川 ケニー君ですね。開山の最澄が病気の桓武天皇に献上して、寺の名の由来にもなった泉です。ツアー後のケニー君の感想文は英文ですが、「Virtue Water Temple」と漢字1字ずつの意味を英訳して、お寺の名前の意味がわかるようになっていました。

片岡 本堂の中の仏像の多さにも圧倒されました。ここも時間がおしていたのが残念でした。あとからパンフレットを見ると、もっと境内にいろいろな建物があるとわかったんですが、回れなかったですね。もっとじっくり見たかったです。

――博物館のツアーに、こうしたお寺や神社を組み込むのはよかったでしょうか。

小池 駅から遠いお寺や神社に行けたのはいいですね。

第2回 水辺の歴史と暮らしを感じる湖東・湖南の旅

――続いて、第2回。まず、滋賀県立安土城考古博物館です。あそこはJR安土駅からちょっと距離がありますね。

解説中の藤崎学芸員

解説中の藤崎学芸員(渡邊さん撮影)

渡邊 個人で行くと、ちょっと「うーん」となる距離ですね。

小池 結構遠い。私は、授業とゼミで行ったことがあり、3回目だったのですが。

――安土城跡のある安土山にも登って。

渡邊 私はずっと行きたかった場所でした。

片岡 あいにく曇り空だったのですが、時間をかけて石段を登って、広々とした風景を見るというのはよかったですね。信長とかがこういう感じで眺めていたのかと、あの場に立つと考えてしまいますね。

――学芸員による解説はいかがでしたか。

渡邊 おもしろかったです(笑)。貸し出し中のお人形を「単身赴任中」と言ったりユーモアを交えた楽しい解説で。時間がない中、たくさん伝えたいという熱い気持ちが伝わってきて。

亀田 学芸員の藤崎高志さんですね。

渡邊 その姿を写真に撮ろうと何回もシャッターを押したんですけど、ちゃんと真ん中に藤崎学芸員がおさまる写真が撮れないぐらい。

山川 身振り手振りを交えての解説で、常に動いていたという(笑)。

――館の方の展示は、どうでしたか。

小池 あそこは、安土城の展示が中心かと思いきや、結構古代史に関するものが多いですよね。私は考古ゼミに入っていたこともあり、古墳時代が好きなので楽しかったです。

――古代史ファンは、安土城跡ではなく、そばにある瓢箪山古墳に寄ってから行く博物館でもありますからね。

 昼食は、「近江牛すき焼き一人鍋セット」だったそうで。

「近江牛すき焼き一人鍋セット」

「近江牛すき焼き一人鍋セット」

渡邊 おいしかったです。意外と留学生の方が、すき焼きを食べ慣れていたのでびっくりしました。生卵とかわからないかなと思っていたんですけど、卵が配られると、すぐに箸でシャカシャカかき混ぜだして、普通につけて食べていました。

亀田 参加者には、アレルギーがないか、特に留学生はベジタリアンがいないかは確認しました。1回目の昼食は、1人だけ別メニューでお肉ではなく、魚にしましたね。

――2回とも近江牛メインの昼食だったようですが、琵琶湖の魚がメインは難しいでしょうか。

渡邊 私は好き嫌いは何もないですが、肉と魚を並べられたら、お肉の方を食べてしまうかもしれないです。

上田 私は焼き魚が好きで、焼きモロコとかでも喜んで食べます。なかなか食べる機会がないけど。

山川 大学生協の食堂に、琵琶湖産の魚のメニューなどは置いていませんか。

上田 湖魚は置いていないです。

片岡 滋賀県産とうたっているのは、お米ぐらいかな。棚田で作られたお米を、大々的に宣伝していたのを見たことがあります。

渡邊 学生のグループがつくっている野菜を材料にしたメニューもあったはず。

――滋賀県ならではを目指すなら、ツアーの交通手段も、バスでなく、船でめぐるというのも考えられますね。

亀田 じつは今回も、「船で回りたい」という案だったら可能だったんです。時間的なことや組み合わせの関係で、バスになっただけで。

渡邊 授業で塩津港から竹生島に渡りましたが、小型船だったからか酔いました。船なら、なるべく大型船でお願いします。

――次が、八幡堀とかわらミュージアム。

八幡堀

琵琶湖とつながった運河「八幡堀」。多くの時代劇のロケ地となった(片岡さん撮影)

片岡 以前、八幡堀は授業の一環で歩いたことがあるんですけど、風情があるというか、これは映画やテレビドラマの撮影に使われるだろうなと思いますね。

渡邊 電線も下を通っていますから。

片岡 かわらミュージアムで印象に残っているのは、金箔瓦。桃山文化といえば絢爛豪華と、授業でも聞かされますけど、実物を見て、ああ、瓦まで金にしているのかと。それから、瓦と一口に言っても、地域や国によって、材質や色、形状に違いがあることがわかりました。あと瓦人形というものがあったことに驚きました。瓦でここまでできるんだという。瓦=屋根というイメージがあるので、思いつかないですね。

かわらミュージアム展示

かわらミュージアム館内の展示

小池 ミュージアムに行くまでの道には、古い瓦を埋めていろいろな模様がつくられていました。こんな使い方ができるのかと思いましたね。

片岡 魚のコイが大きく描かれてるんだっけ。タイルで絵を描くみたいな感じで。
――最後に銅鐸博物館ですね。

亀田 銅鐸博物館は2013年、東京国立博物館から日本最大の銅鐸の里帰り展示がありました。

――皆さん、野洲でたくさんの銅鐸が見つかったとかいうのは知っていましたか。

上田 聞いたような気がするけど。

渡邊 そんな気もするけど。

片岡 歴史系の学生でありながら、正直、「野洲=銅鐸」というイメージはなかったですね。

――古代の銅鐸や銅剣というと……。

復元銅鐸

銅鐸博物館にて。野洲市で出土した日本最大銅鐸の復元銅鐸

小池 出雲。私は古代史も好きなので滋賀県に多いことも知っていましたが、普通は博物館の展示を見て初めてわかるみたいな感じだと思います。

上田 そもそも留学生からすると、「銅鐸って何?」みたいな感じにならないですか。日本人の私自身、いまいち、銅鐸って何なんだみたいな。

――そもそも「何に使われたか?」という議論を研究者がずっとしている状態ですから、説明しづらいですね。

渡邊 学校の歴史の教科書や資料集で写真を見たことはあるんですが、現物は単純に「こんなに大きいものもあるのか」とびっくりしました。自分の中では、もう少し小さいイメージだったので。

片岡 復元された銅鐸は初めて見ました。使われていた時代には、こんなにきれいに輝いていたんだという。

渡邊 あれがあったら、あがめたくなりますよね。私は最初から青緑色だと思っていました。「青銅器」という名前からして。

――ここでの勾玉づくりはいかがでしたか。

「勾玉づくり」体験

上:「勾玉づくり」体験/中:仕上げにサンドペーパーで磨く/下:完成したオリジナル勾玉(渡邊さん)

渡邊 勾玉というと形がイメージされるのですが、つくる形は自由でした。

片岡 いくつか過去につくった人の作品をサンプルとして見せてもらって、それなら、自分はこうすると。

小池 材料は滑石と呼ばれる石で、完成後に糸を通すための穴をまず初めに開けて。ペンで下描きして、砥石で削って、ヤスリでひたすら磨く。仕上げはサンドペーパー。

片岡 僕は王道の勾玉の形でいきました。

小池 扇子形にしたのですが、ほとんど貝みたいな感じになってしまいました。

渡邊 私は普通の勾玉形だとかわいさがないなと思ったので、ちょっと太った感じの、オタマジャクシ型でぎゅっとしたようなやつをつくりました。実家に帰った時に、親にも見せてきました。

――こういったワークショップができる館というと、他ではどこでしょうか。

山川 琵琶湖博物館では、ヨシ笛づくり、化石のレプリカづくり、シジミのストラップづくりなどが、学校団体向けの学習プログラムにあります。また、毎月第2土曜の午後に実施している体験プログラム わくわく探検隊は、当日受付のワークショップがあります。これまでに「おゆまるくん(商品名)」というお湯に入れるとやわらかくなる樹脂粘土を使って、プランクトンをつくったり、透明シートを何枚も重ねて琵琶湖の湖底地形をつくったりしています。

 形からしてプランクトンはおもしろいですよ。多色の「おゆまる」樹脂でカラフルに仕上がって、ある種アートなんです。自宅に飾ってもOK。他館でも滋賀県立陶芸の森や近代美術館ではいろいろなワークショップをやっていると思います。

ツアーを通して知った滋賀の新たな顔

――では、ツアー全体を通して、反省点も含めて感想をお願いできますか。

 先ほどのケニー君のツアー後の感想には、やっぱり言葉の壁があるので、「MIHO MUSEUMには英語による解説があって入っていきやすい」という意味のことを書いていますね。

片岡 説明のさじ加減がわからなかったですね。申し訳ないことをしたなと思います。

渡邊 自分が興味のある分野で調べはじめると、どんどん深いところに入ってしまうし。そもそもどこから話せばいいのか。

片岡 「江戸時代」、「安土桃山時代」といってもわからないですよね。アジアの留学生が多かったから、中国のそれぞれの時代の国名をあげるとわかるのかな。

渡邊 中国王朝の日本の何とか時代を、対照表みたいなのを掛けておかないとわかりにくいですね。私たちが何気なく使っている用語が、もしかしたら伝わっていなかったかもしれない。バスの車内での事前の案内も、2回目は紙芝居みたいなものをつくって工夫しました。

山川 今回のツアーの第一の目的は、大学生の皆さんに「地域を知ってもらう」ということだったのですが、その点で感想をいただけますか。

片岡 スタッフとして参加し、いろいろな館を回ったんですけど、滋賀県の新発見の連続でした。大学のゼミや活動の関係でいろんな所を回る機会は多い方だと思っていたのですが、野洲の銅鐸など初めて知ることができました。

小池 私は、いろんな町をめぐってみて、各地域ごとの特色があることを発見しました。同じ滋賀県でも、山側の甲賀は、琵琶湖に近い平野部とは明らかに違う雰囲気があったり。

渡邊 私は滋賀に来てまだ2年目で、県内を回りたい、回りたいと思いつつも、実行できていませんでした。それが、企画の段階から関わって、こんな所にこんな博物館があるんだとか、名前は知っていたけど、こういう展示があったんだとか、実際にはツアーで行かなかった博物館や美術館についても知識が増えたのがよかったです。

上田 私も同じようなことを思ったんですけど、ツアーの企画の段階で、こんなのがあるんだと、新しく滋賀県のことを知るきっかけになったなと思います。

 普段は行きたくても、行くのが大変な所が多い印象なので、ツアーを通して、新しく滋賀県のことを知れたかなと思います。

――本日は長時間ありがとうございました。
(2015.2.2)


編集後記

ツアーには、滋賀県立大学のほか、立命館大学、龍谷大学、滋賀文教短期大学からの参加がありました(中国、タイ、ベトナム、マレーシアからの留学生を含む)。現在リニューアル作業中の滋賀県博物館協議会ホームページでは、参加者の感想と撮影した写真を公開する予定です。(キ)


ページ: 1 2 3

連載一覧

新撰 淡海木間攫

Duet 購読お申込み

ページの上部へ