明治の旧彦根藩士たち

淡海文庫 74
明治の旧彦根藩士たち 近代化に尽力した人物史

野田 浩子, 井上 幸治
B6判 184ページ 並製
ISBN978-4-88325-824-6 C0321
奥付の初版発行年月:2024年07月
書店発売日:2024年07月13日
近日刊行予定
1500円+税

担当から一言

近江の人物として書かれた本はあるものの、意外と彦根出身者の事が書かれていないのはなぜ?という疑問から、今回書いていただきました。すると欧米視察や留学したり、教育に関与した人が多いことに気付きました。藩校が廃止され、明治9年に建てられた彦根学校は何とバルコニーがあります。また法律を学び、東京にの中央大や専修大の創設者も彦根藩士なのです。

内容紹介

彦根藩は戊辰戦争で「官軍」だった。しかし、明治の社会で果たして勝者らしい扱いを受けていたであろうか。藩政を転換して彦根藩を官軍へと導いたリーダーを始め、明治になってから学問を積み、各種の近代化に尽力した人物を紹介する。
明治維新から150年を過ぎた今、彼らが遺したものは社会の中に溶け込み、意識的に探さないと気がつかないものも多い。しかし、現代につながるインフラ(社会基盤)の数々は彼らによって整備されている。そのような先人の働きを知り、その思いを感じ取れる好著。

目次

はじめに
1 岡本 黄石  幕末の危機を乗り越えるも、漢詩人として生きた家老
2 谷 鉄臣   医者から至誠組のリーダー、藩庁のトップへ
3 武節 貫治(河手主水) 戊辰戦争での大隊長、女学校設立など彦根の発展に尽力
4 外村 省吾  至誠組から彦根学校(現彦根東高校)の開校へ
5 西村 捨三 直憲の近習から大阪府知事、平安神宮創建等数々の事業を推進
6 相馬 永胤  専修大学の創設と横浜正金銀行頭取、井伊直弼の銅像建設に奔走
7 増島 六一郎 英吉利法律学校(現中央大学)を創立、日本弁護士界の草分け
8 弘世 助三郎 彦根初の銀行設立の中核、そして日本生命の創設へ
9 中島 宗達  西洋医学・キリスト教を通じて彦根に欧米文化をもたらす

コラム
  彦根近代化のはじまり――洋学校を設立した鈴木 貫一
  井伊家と家政機関
  女学校での直弼流茶道伝授 ―宇津木 翼
あとがき

著者プロフィール

野田 浩子(ノダ ヒロコ)

1970年、京都市生まれ。
1995年、立命館大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了。
同年より2017年3月まで、彦根城博物館学芸員。
現在、立命館大学等で非常勤講師。
主な著書 『井伊直政 家康筆頭家臣への軌跡』(戎光祥出版、2017年)、『朝鮮通信使と彦根―記録に残る井伊家のおもてなし―』(サンライズ出版、2019年)、『家からみる江戸大名 井伊家―彦根藩―』(吉川弘文館、2023年)

井上 幸治(イノウエ コウジ)

1971年、京都市生まれ。
2000年、立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。
現在、佛教大学等で非常勤講師、京都市歴史資料館館員(会計年度任用職員)
主な編著書 『古代中世の文書管理と官人』(八木書店、2016年)、『孝明天皇奉祀奉賛会誌』(平安神宮、2017年)、『平安貴族の仕事と昇進―どこまで昇進できるのか―』(吉川弘文館、2023年)

   

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