きっかけはコイの歯から

きっかけはコイの歯から 魚と米と人のかかわり

中島 経夫
A5判 196ページ 並製
ISBN978-4-88325-805-5 C1045
奥付の初版発行年月:2024年01月
書店発売日:2024年02月14日
在庫あり
2800円+税

担当から一言

魚の歯の先生とは存じていたものの、数ミリのコイ科の仔魚から咽頭歯を取り出すというとんでもなく大変な作業をされていた話についつい釣られてしまいました。

内容紹介

コイ科魚類の咽頭歯を研究していた著者は必要に迫られ『中国鯉科魚類志』の翻訳を手がけ、当時大学にはなかった走査型電子顕微鏡を備えている歯科大学に就職した。わずか数㎜の仔魚、しかもその歯を取り出すという、途方もなく大変な作業をしつつ、友田淑郎先生の影響で化石探しに没頭し、古琵琶湖に関る研究者達と「琵琶湖自然史研究会」を結成し、琵琶湖の自然史を明らかにした。
そんな折り、琵琶湖博物館準備室職員に応募、学芸員となるや、住民を巻き込んだ「うおの会」での調査研究、考古学や歴史学、社会学の研究者を巻き込んだ学際的なコイをめぐる総合研究に奮闘した。そしてこれまでの研究を振り返り、思う事は……。

目次

まえがき
第一章 プロローグ
第一節 琵琶湖の漁師、畑さんから学んだこと
   第二節 長い咽頭歯研究のはじまり
第二章 研究のはじまり
   第一節 研究テーマの決定
   第二節 修士論文とそれからの展開
第三章 研究の本格化
   第一節 咽頭歯とコイ科
   第二節 咽頭歯の形態形成と形の類型
   第三節 日本列島は化石の宝庫
第四章 湖と人間のかかわり 
   第一節 琵琶湖博物館での活動
   第二節 咽頭歯研究の展開 
   第三節 淡水漁撈と稲作との関係
第五章 エピローグ
   第一節 時間軸の重なり合い
   第二節 米をとるか魚をとるか
引用文献
あとがき

著者プロフィール

中島 経夫(ナカジマ ツネオ)

1949年東京都生まれ。1982年京都大学大学院理学研究科動物学専攻博士課程修了。理学博士。日本学術振興会奨励研究員、岐阜歯科大学(現在朝日大学)、琵琶湖博物館、総合地球環境学研究所客員教授、岡山理科大学生物地球学部・同大学大学院総合情報研究科教授(2018年3月退職)。琵琶湖博物館名誉学芸員。1997年第6回生態学琵琶湖賞受賞。専門はコイ科魚類の咽頭歯に関する形態学的研究、およびそれに基づく古生物学的および考古学的研究。
主な著書,翻訳
『Comparative studies on the pharyngeal teeth of cyprinids』Tokai University Press, Tokyo.2018 『中国鯉科魚類誌(伍献文著 )中国鯉科魚類志)共訳,たたら書房,1980 『魚つかみを楽しむ 魚と人の新しいかかわり方』共著,新評論,2011 『水辺エコトーンにおける魚と人:稲作起源論への新しい方法』共編,ふくろう出版,2014 『琵琶湖の自然史』共著,八坂書房,1994など

   

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