2011年 3月 08日

「ふなずしの謎」との出会い

 
あれは、大阪の大学にいる頃でした。
とある公立図書館で、『ふなずしの謎』に出会いました。
タイトルに惹かれ、手に取りすぐに読みましたね~
  
ふなずし…
 
地元にいても、口にすることは全くありませんでした。
好きか嫌いか以前に機会がなかったんです。
その名前を耳にすることも、殆どなかったと思います。
だから、はっきり言って存在感ありませんでした。
 
大学のために滋賀を出てから、「ふなずし」のことが気になりだしました。
いろんな地方の出身の人たちが集まる大学。
自然とそれぞれの地元の話をお互いにするようになるし、
それで、地元に何があるかなあ、と考えるきっかけが与えられます。
滋賀といえばびわ湖。
一部の人は、本当に、琵琶湖の一部は京都にあると思っていた人がいました!
琵琶湖は滋賀の面積の6分の1だというとみんな信じてくれませんでした(泣)
滋賀はほとんどが琵琶湖で、土地はその縁にちょろっとあるだけ…というイメージなんだそうです。むぅ。
さて滋賀名物は…?
近江牛。
…ほかには?
…「ふなずし」ってのがあるんやけど、、、
 
食べたことにないし、実際に見たこともないし、どう説明すればいいかわからず困ったものでした。
名前だけ知っている人もいて、「くさいんやろ~」と言われました。
「らしいわ~」としか言えませんでした(苦笑)。
 
今では、「くさい」なんて言う人いたら、
「何を失礼なっ。「香る」と言ってくれっ」と反論することができるくらい
ふなずしファンなんですが(笑)。
 
ま、そんなわけで、「ふなずしとは何ぞや」と、地元に帰るたび、思い出せば、
近所の湖魚店やみやげものやさん、スーパーの土産品売り場をのぞいて、
「これが…」と確かめては、
買ってみようかなあ、美味しいのかなあ、しかし高いなあ…
ということで目の前にしながらも躊躇してしまいました。
 
そんな折、大学の所在地の方の図書館で、偶然見つけたのが『ふなずしの謎』でした。
まさか、ふなずしについて本が出ているとも思わず、地元の図書館で探そうとか
そんなことはしなかったもので、びっくりしました。
 
これは読むしかない。
 
いや、面白かったです。
なんせ、全く知らなかったもので。
スシの原形。東南アジア起源。琵琶湖固有の二ゴロブナならでは。
滋賀の気候風土。おいしい米と水。敦賀からの塩。まつりごととの関係。
なぜ食べられなくなったか。琵琶湖の環境・生態系との関係。
食生活の変化との関係。
実はこの本との出会いを機会に、著者の堀越先生(滋賀大学教授)にも会いに行き、ついには先生の研究室に入って環境と食文化について学びましたので、
つまり『ふなずしの謎』を何回も読みましたので、
今、目次は見てないけれども、どんな内容だったか、だいたいこれくらい、すらすら出てきたわけです。

思えば、「ふなずし」が、あらためて、私の視線を滋賀に戻し、
琵琶湖を見つめなおし、環境と暮らしについて考えなおす機会を与えてくれ、
滋賀に戻り、滋賀に対する愛着をもっと増してくれたのでした。
ありがとう!「ふなずし」!
ここ何ヶ月も口にしていないけれど…
 
 
で、その『ふなずしの謎』がついに、15年の歳月を経て、新装版
おめでとう☆
楽しみですね。
15年前からしたら、今は再評価されて、「ふなずし」はもちろん、食べやすいように工夫されたり、飯(いい)の部分を使ったクッキーが開発されたり、パイや、チーズのような風味を生かしてチーズケーキがつくられたり…
「滋賀の魅力」のひとつとして発信しようと、いろんな人ががんばっています☆
ひいては、二ゴロブナの生態を守ろうとの動きにもつながっています。
(琵琶湖固有種なので、もともと貴重な生きものとして認識はされていましたが)
 
ふなずしといえば、会社のFさんのおじいちゃんのふなずしは、最高でした。
今までで一番おいしかった!マジで。
ああ、もう食べられないのが本当に残念です。
 
 
大変長くなりましたが、
「ふなずし」の今後のより良い発展と栄光(?)を祈って。 

1件のコメント


  1. 昨日(3/10)の毎日新聞折込「Oh!Me」で堀越先生が紹介されていました。
    琵琶湖博物館で開催中の「食事博(くいじはく)」のことも。

    コメント by 近江っ娘。 — 2011年3月11日 @ 1:39 PM

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