満州逃避行秘録—故郷をめざして—
小野 友文・小野 弘文

四六判 200ページ 並製
2013年12月 発行

内容紹介

 われわれの年代は、戦争によって多かれ少なかれ、二度と繰り返したくない痛ましい体験を経てきた。当時の日本政府の国策に従い、新転地を求めて多くの人々がそうしたように、わたしも満州に渡った。しかし終戦直後の混乱に巻き込まれてしまったわたしは、満州の原野を彷徨し、九死に一生どころか、数多くの死線を越えては越え、そして、無事帰国することができ、幸運にも、かけがえのない命を今日まで永らえることができた。
 戦後三十年を経た今、自分自身の記憶が亡失する前に、記録に残しておきたいと考えていたが、満州国立新京工大の当時の教員や学生たちによって、戦後再結成された同窓会誌に手記を求められ、それに応じる形で連載することになった。これは、主に終戦直前・直後の体験を綴ったわたし自身の備忘録と言ってもよいだろう。
 (「はじめに」より)

   

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