 
 内湖からのメッセージ 琵琶湖周辺の湿地再生と生物多様性保全
A5判 256ページ 並製
ISBN978-4-88325-269-5(4-88325-269-8) C1045
奥付の初版発行年月:2005年12月
書店発売日:2005年12月01日
品切
 
 
 かつて琵琶湖の周辺には、内湖とよばれる湿地帯が広がっていました。しかし明治期と比べればその面積は7分の1に減少し、残った内湖も人為的改変や外来魚の増加で、多くの野生生物にとってすみにくい環境に変わってきています。 
 琵琶湖とその周辺内湖は、1992年に日本で最初のヨシ群落保全条例が成立し、1993年にラムサール条約登録湿地になるなど、保護対策が十分とられているように思われがちですが、いくつかの問題点が明らかとなり、2002年に改正されたヨシ条例では、琵琶湖の生態系と生物多様性保全が条例の目的として明記されました。 
 琵琶湖研究所では2001年から2005年にかけて「内湖の生物多様性維持機構の解明」プロジェクトを実施しました。本書では、その共同研究者らによって、琵琶湖及び内湖に生息する各種の生物多様性の現状、その保全、そして現在進められている「早崎内湖ビオトープネットワーク調査」での内湖再生の可能性と課題について述べられています。
1章.脅かされる琵琶湖の生物多様性 
2章.日本の湿地環境と琵琶湖周辺内湖 
   2-1日本の湿地環境 
   2-2琵琶湖周辺内湖とその成因 
   2-3内湖の変遷 
    
3章.内湖と琵琶湖との関係 
4章.貴重植物の現状と保全 
   4-1内湖の植物と本湖岸の植物 
   4-2内湖の貴重種 
   4-3内湖の植物復元の可能性 
   4-4琵琶湖の種多様性における内湖の役割 
    
5章.ヨシおよび湿地の貴重植物の遺伝的多様性 
   5-1琵琶湖におけるヨシ帯の保全施策 
   5-2琵琶湖周辺に生育するヨシのクローン構造 
   5-3琵琶湖周辺に生育する希少植物の遺伝的性質 
    
6章.琵琶湖周辺内湖における魚類および無脊椎動物の種多様性 
   6-1琵琶湖の淡水魚の生活型と利用場所 
   6-2湖北野田沼における在来魚と外来魚の現状 
   6-3琵琶湖周辺内湖の魚類相の特性 
   6-4内湖の無脊椎動物相 
    
7章.水鳥類からみた琵琶湖周辺の湿地とその保全 
8章.琵琶湖周辺内湖の水質特性 
   8-1内湖の水質特性 
   8-2内湖の水質浄化能 
   8-3内湖での農薬の動態 
    
9章.琵琶湖周辺の湿地再生に向けて 
   9-1早崎干拓地ビオトープ・ネットワーク調査 
   9-2早崎内湖の再生に向けて 
    
〔コラム〕 
 ・内湖の名称 
 ・内湖の働き 
 ・ヨシ刈りのよしあし 
 ・魚がのぼれる水田に向けて 
 ・宮城県・蕪栗沼での湿地の保全・復元事例 
 ・地図でたどる「早崎内湖」の生いたちと今
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