2013年 11月 16日
中身が濃いです『冨田今昔物語』
古文書を読むだけでも大変なのに、仕事の合い間、
休日に地元に関係する古文書を読み続けて20年以上、
しかもその古文書の内容を解説した新聞が300号。
それどころか、これを元に更に追加説明をつけて
600頁の郷土史『冨田今昔物語』を纏めたのは
元高校の数学の先生とは、もう全てが「凄い」の一言です。
旧びわ町冨田は中世冨田荘で、竹生島との関わりが深い農村でした。
冨田には区有文書や江戸期の庄屋であった川﨑家文書がありましたが、
それ以外に竹生島文書なども調べ、川﨑先生は自分が気になったことを
文書を元にわかりやすく説明しておられます。
表紙を飾るのは浅井久政文書なのですが、これは水争いの時に持ち出され、
必ずこの書面で決着がつくという区の財産です。
先日、ご自宅へ本をお届けにお伺いし、庄屋門や村の揚場
(船の荷物を揚げ降ろしするところ)などを教えてもらいましたが、
何百年前のムラの様子が今後そのまま残されているかというと
それは恐らく無理だろうし、またムラの伝承も次第に伝える人が
なくなっていったりします。
自分が生まれて育った土地のことを書物にして残していけば、
次の時代のムラの人にとってはかけがえのない財産となります。
冨田の帰りがけに、川﨑先生から教えてもらった竹生島の一の鳥居に
立ち寄りました。早崎のムラのはずれにスクッと建っています。
この鳥居は近隣の人々の寄進によって建てられもので、
もちろんこのことも本に書かれています。