2005年 10月 30日

出来上がった本、きっと見てくださいね

過去に2度、本の話題に書いた友人のお父さんのご本。
今日カバー装丁をご覧いただき、校了となりました。

でも、23日に入院されたとき、
「はーちゃん、もう長くないわ」
とつぶやかれました。

そして昨日から投薬も自ら断られたとのこと。

「あかん!ちゃんと出来上がった本みてもらわんと」

もう少しでできあがりますから、それまで待っていてくださいね。
きっとですよ。

10月28日、ブログに下書きしたままにしていた記事が上記です。
今朝(30日)、奥様から昨夜亡くなられたとのお電話をいただきました。

『鰧(おこぜ)のつぶやき』

28日にカバーを巻いた束見本を見ていた先生は、
すでに友人・生史と半分語り合っていたような……。
でも、先生が描かれたオコゼの絵を表紙に配したものを
ジッと見つめ、「これで出来た」といわれた先生。
発行日のことを確認したら、
半分意識朦朧としたなか、「生史の30年祭と一緒に配ろうか」
と言われた先生。

「葬式に配る本を作ろうと思っている」と8月にお伺いしていたときに先生は
言っておられましたね。お葬式に間にあわなくてごめんなさい。

病室を後にするとき握手して、
「また、来ますね」といったのに、
「素晴らしい施設だ」と話しておられた
彦根市立病院の緩和ケア病棟には
もうお伺いできないのですね。

本作りをお手伝いする者にとって、ご本人に出来上がった本を
手にしていただけないことは、とても辛いのです。

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