「早春」(1969年)
「潮騒」(1971年)
鉄扇網代編茶籠(1994年)
花藍「さざなみ」(1995年)
櫛目螺旋編花藍(1976年)
花藍「せせらぎ」(1993年)
竹と私との出会いは、全く偶然であった。大都会の真ん中の小学校を卒業した年に、私は脳膜炎を患い、聴力を全く失ってしまった。続いて戦火で家を失い、田舎に住むことになった。戦後は病弱で学校へも行けなかったが、そんな或る日、近所の農家の青年が、軒先で籠作りをしているのを目撃した。青年学級か、何かの一日講習で習ってきたらしかった。籠編みに興味を持った私は、幸い近くに竹薮があったので、見よう見まねで四つ目編の野菜籠を作ってみた。