内容紹介

彦根の北、ちょうど国道８号のトンネルが貫通する山の上にかつて佐和山城があった。表門は北側に当たり、この山から東山道が望める好適地であった。しかし、関ケ原の戦いで佐和山城を与えられた井伊直政はこの山城を適当と見なさなかった。そして直継、直孝により18年の歳月をかけて彦根城が築城されたのである。
本書は、このわずか数キロしか離れていない歴史上著名な二つの城を、縄張り・石垣・建築といった城郭構造と、古文書など多方面から論考されたものである。
特別付録として佐和山城、彦根城、彦根城古図の３附図付。

目次

佐和山城の歴史と構造
佐和山城と封建領主堀尾毛介 （吉晴）
佐和山城に遺るもの
彦根城の縄張り
佐和山城・彦根城の石垣
彦根城の登り石垣について
国宝彦根城天守前身建物復元ＣＧ
彦根城跡本丸御広間の建物遺構について
彦根城の失われた諸櫓の建築規模
彦根城の再検討
彦根城修補許可の老中奉書について
御城内御繪図
明治維新以降の彦根城関連略年表
写真図版
あとがき　

付図3枚:佐和山城概要図、彦根城概要図、御城下御絵図