湖面の光 湖水の命

淡海文庫 51
湖面の光 湖水の命 〈物語〉琵琶湖総合開発事業

高崎 哲郎
B6判 198ページ 並製
ISBN978-4-88325-174-2 C0351
奥付の初版発行年月:2013年07月
書店発売日:2013年07月01日
在庫あり
1200円+税

内容紹介

関西経済のさらなる発展と、滋賀県の地域インフラの整備、琵琶湖の洪水対策と水質保全など、多面的なニーズに応えるべく計画された琵琶湖総合開発事業。25年をかけて完結した〈世紀の大プロジェクト〉の全貌を、その前史もふまえつつたどる。独立行政法人水資源機構発行の月刊誌「水とともに」連載を単行本化。

目次

はじめに
第1話 〈序章〉「戦場」を乗り越えて
    〜二五年・一兆九〇〇〇億円の大型プロジェクト、終幕を迎える〜
 仲間だけの竣工式/滋賀県知事からの感謝のメッセージ
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 舟橋聖一『花の生涯』
第2話 近代琵琶湖の原点〜日本一の湖の光と影〜
 琵琶湖の水行政/明治二九年の大洪水そして「排水同盟」の設立へ
 近代土木工事の金字塔「琵琶湖疏水」
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 琵琶湖を詠った和歌二首
第3話 琵琶湖・淀川水系の治山治水①
    〜「諸国山川掟」から江戸末期までの砂防事業〜
 江戸幕府による山林管理/琵琶湖周辺の森林荒廃の要因
 瀬田川浚渫を訴えた藤本太郎兵衛
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 辻邦生『安土往還記』
第4話 琵琶湖・淀川水系の治山治水②
    〜近代砂防の夜明けと河水統制事業〜
 明治政府による砂防工事/招聘されたオランダ人技術者
 琵琶湖総合開発の先駆け
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 吉村昭『ニコライ遭難』
第5話 高度経済成長と琵琶湖開発構想
 昭和二八年の水害と南郷洗堰/琵琶湖総合開発協議会の発足
 水資源開発公団の設立/さまざまな琵琶湖総合開発案
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 『特選!! 米朝落語全集』
第6話 事業計画書の作成と意見調整の難航
 滋賀県知事、構想の撤廃を要求/対立する建設省と滋賀県
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 三島由紀夫『絹と明察』
第7話 特別措置法案、対立を乗り越え国会提出へ
 政府と滋賀県の膠着状態打開へ/「琵琶湖総合開発に関する基本的な考え方」
 「琵琶湖総合開発についての申し合せ」/特別措置法案が閣議決定
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 『芭蕉句集』
第8話 特別措置法・成立、壮大な計画策定へ
 全国にも例を見ない地域開発法/壮大な計画の概要
 〈資料〉琵琶湖総合開発特別措置法
第9話 水公団へ事業継承、漁業補償そして武村革新県政誕生
 建設省から水公団へバトンタッチ/優先された漁業補償
 革新知事武村正義の水質保全施策
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 白洲正子『近江山河抄』
第10話 「びわ湖訴訟」、湖岸堤(管理用道路)、そして事業一〇年延長
 工事差止めを求めた「びわ湖訴訟」/却下された武村知事の計画改定案
 琵琶湖富栄養化条例の施行/湖岸堤の計画変更/特別措置法一〇年延長へ
 世界湖沼環境会議の開催
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 内村鑑三『代表的日本人』
第11話 〈終章、均霑〉緊迫の最終局面と事業一部再延長、
    歴史遺産・生態系の保存、そして終幕
 琵琶湖開発事業のスケジュール/NTT─A型事業/航路維持浚渫
 びわ湖流入河川の滋賀県への引継/最終局面と膨大な予算執行/望月局長の腐心
 文化財保護、自然環境保存への配慮/事業推進による学術的な発見も
 魚安らかに 住み継ぐを願ふ
  我が歴史・文学そぞろ歩き〜琵琶湖編〜 上垣外憲一『雨森芳洲 元禄享保の国際人』
年表

著者プロフィール

高崎 哲郎(タカサキ テツロウ)

1948年 栃木県生まれ。
NHK記者、帝京大学教授、東工大・東北大・長岡技術科学大、法政大などの非常勤講師を歴任。
作家・土木史研究家。
[主な著書]
『評伝 技師青山士の生涯』(講談社)、『山原の大地に刻まれた決意』(ダイヤモンド社)、『評伝 山に向かいて目を挙ぐ─工学博士・廣井勇の生涯』(鹿島出版会)など多数、著書の英訳本が3冊ある。

   

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