トチノキは残った

びわ湖の森の生き物 7
トチノキは残った 山里の恵みの自然史と暮らし

青木 繁
四六判 204ページ 並製
ISBN978-4-88325-698-3 C0345
奥付の初版発行年月:2020年09月
書店発売日:2020年09月10日
在庫あり
1800円+税

内容紹介

琵琶湖にそそぐ安曇川の源流域(滋賀県高島市朽木)には、V字谷の両斜面にへばりつくように多くのトチノキが生育している。かつて山里の人々の暮らしは、それらの木々と深く結びついていた。奥山のトチノキの巨木伐採をきっかけに調査と保全活動に取り組んできた著者が、大量の実をつけるその生態、滋賀県を中心としたトチノキ林や巨木の分布と現状、栃餅づくりの知恵や材の利用、トチノキにまつわる民話などを紹介。

目次

はじめに
第1章 トチノキとの出会いから伐採まで
 1 トチノキとの出会い
 2 朽木で樹齢500年のトチノキが見つかる
 3 思いもしなかったトチノキの伐採
 4 伐採をきっかけに見えてきたもの
第2章 トチノキの自然史
 1 トチノキってどんな木?
 2 分布の概要
 3 滋賀県のトチノキの分布と現状
 4 トチノキの一年
 5 着生植物
第3章 トチノキ調査と保全活動
 1 トチノキ伐採と保全活動の始まり
 2 活動の理念
 3 調査後のさまざまな取り組み
 4 全国のトチノキ調査
第4章 トチノキと暮らし
 1 葉の利用
 2 実の利用
 3 栃餅ができるまで
 4 材の利用
 5 その他の利用
第5章 トチノキが暮らし・文化・自然を伝える
 1 トチノキにまつわるさまざまな言い伝え
 2 トチノキが残った理由
 3 トチノキ伐採により懸念される問題
 4 トチノキが持つ新たな価値を見出す
おわりに

前書きなど

 トチノキは人々の暮らしと強く結びついた樹木である。栃の実を食べながら命をつないできた歴史も深い。しかし、今まで、滋賀県でトチノキが話題になることはほとんどなかった。それだけ、人々との距離が開いていた。ところが、思いがけないことでにわかに注目を浴びることになった。すると、トチノキからいろいろなことが見えてきた。トチノキのはたしてきた役割や素晴らしさ、そして、時代を超えて自然を活かし自然に生かされる暮らしぶりの大切さが少しずつ見えてきた。

著者プロフィール

青木 繁(アオキ シゲル)

1952年大津市生まれ
1976~1992年 滋賀県公立学校教員
1992~1998年 滋賀県立朽木いきものふれあの里指導主任
2008~2014年 滋賀県立朽木いきものふれあの里の指定管理者兼館長
2014~2019年 滋賀県いきもの調査専門員として滋賀県内の植物調査に携わる。
著書に、『フィールドガイド高島の植物(上)(下)』(サンライズ出版)、『分県登山ガイド24 滋賀県の山』(共著、山と渓谷社)など。

   

コメントはまだありません

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。

所属シリーズ・ジャンル

びわ湖の森と生き物生物・環境
ページの上部へ