近江の陣屋を訪ねて

近江旅の本
近江の陣屋を訪ねて

中井 均 編著
A5判 112ページ 並製
ISBN978-4-88325-723-2 C0321
奥付の初版発行年月:2021年03月
書店発売日:2021年05月12日
近日刊行予定
2000円+税

内容紹介

江戸時代、居城を構えることが許されなかった藩の居住地や藩庁は陣屋と呼ばれている。滋賀県にはかつて大溝、仁正寺、宮川、三上、山上、小室、堅田の各藩が存在した。陣屋の周囲には武家町や商人や職人の住む町家も構えられ、菩提寺には墓所も設けられている。
明治維新により陣屋の建物はほとんど撤去されたが、実は移築・現存するものもある。また
往時の街路がそのまま利用されていたりもする。古絵図や藩庁間取り図や昭和の写真などを頼りに往時の小藩の痕跡を辿る旅をしてもらいたい。 

目次

第1章 陣屋とは何か
第2章 仁正寺藩陣屋
     陣屋の歴史/陣屋の構造/陣屋の遺構と周辺を訪ねて
第3章 宮川藩陣屋
     陣屋の歴史/陣屋と日枝神社/明治の新陣屋と家臣団屋敷
第4章 大溝藩陣屋
     大溝陣屋までの歴史/陣屋の歴史/陣屋の構造/ 
     陣屋の遺構と周辺を訪ねて/大溝藩主分部家墓所/解明 大溝城
第5章 その他の大名陣屋 
     三上藩陣屋/山上藩陣屋/小室藩陣屋/堅田藩陣屋

 
  

前書きなど

 滋賀県の城といえば、まず頭に浮かぶのは天守が国宝に指定されている彦根城であろう。歴史に詳しい人ならば膳所城、水口城と続くだろう。事実この三城だけが江戸時代に存在したのである。
 では江戸時代に滋賀県ではどれほどの藩が存在したのだろうか。この三城を居城とした彦根藩、膳所藩、水口藩だけではない。大溝藩、仁正寺藩、宮川藩、三上藩、山上藩、小室藩、堅田藩などの藩も存在した。しかし、これらの藩では居城を構えることが許されなかった。藩主の居住地や藩庁は陣屋と呼ばれていた。
 陣屋は城ではなかったので天守を構えることはもちろん、石垣や堀なども構えられなかった。しかし、藩庁である陣屋の周囲には武家町が構えられ、藩校も置かれていた。さらに商人や職人の住む町屋も構えられていた。また、城下の道には喰違いを構えたり、土手を設けるなどして防御を固めていた。そして城下の周辺には寺社が配置され寺町も形成されていた。藩主の菩提寺には歴代藩主の墓所も設けられ、そうした構造は城下町そのものであった。
 明治維新によってこうした小藩の陣屋はほとんど撤去されてしまい、城跡に比べると遺構の残存状況はよくない。さらにほとんど関心がないままに失われた遺構も多い。
 しかし、実際に町中を歩いてみると、陣屋時代の街路がそのまま利用されていたり、武家屋敷や町人屋敷、水路や、寺院に移築された陣屋門などがまだまだ残されている。こうした現存する陣屋や陣屋町を全県的に紹介した書籍もなく、何とか江戸の小国家である陣屋の面白さを伝えたい思いで今回一冊にまとめることとした。本書によってぜひとも近江の陣屋を訪ねてほしい。

                               中井 均

著者プロフィール

中井 均(ナカイ ヒトシ)

1955年大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科卒業。滋賀県文化財保護協会、米原市教育委員会、長浜城歴史博物館館長を経て、滋賀県立大学人間文化学部教授。専門は日本考古学。
主な著作
『近江の城―城が語る湖国の戦国史』(単著)サンライズ出版1997年
『彦根城を極める』(単著)サンライズ出版2007年
『城館調査の手引き』(単著)山川出版社2016年
『近江の山城を歩く』(編著)サンライズ出版 2019年
『信長と家臣団の城(角川選書)』(単著)KADOKAWA 2020年
『中世城館の実像』(単著)高志書院 2020年

   

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